創傷ケア相談時の流れ
海外文献を検索すると、SRS全体の症例数の多さ。トランスジェンダーに限らなければ、たとえば尿道延長だけでも数十、数百もの症例数があります。手術に合併症はつき物なので、合併症対策の症例もまた豊富です。それに比べると、性別違和当事者に限らず尿道形成、陰茎形成の国内症例数は少ないと言わざるをえません。尿道狭窄などは、発症する原因が特異的な地域もあるため、症例の多いことが一概に良いとは言えません。何はともあれ、私達SRSを受ける当事者にとって術後の創傷ケアが受けられるか否かは、重要な関心事です。合併症を想定した治療をするのが本分とはいえ、手術をした後の創傷回復に必要な「栄養」「活動」「創傷ケア」をトータルで考えられているかと言えば、日本では保険診療の問題などもあり十分ではありません。手術一つ一つの技術はありふれているとはいえ、技術の結晶で行われる尿道延長、陰茎形成、インプラントなどを知る、執刀している、見たことがある、医師・看護師は限られています。 医者、医療者は万能ではありません(何でも治せる、わかってくれる…ではない)。見たことが無いモノ(SRSのビフォーアフター)を、飛び込みで見せられても対処に困ります。
一方、「創」「傷」は熱傷、擦過傷、切り創、割創、褥瘡(床ずれ)等、出来る理由が何であれ、治癒の経過は一様です。創傷の治癒を解剖生理学的視点をもとに、適切に対応してくことで治ります。ところがSRSで受けた傷は、それを見たことがない医療従事者が殆どです。まず治療に当たっては、それがどのような目的でどのような方法で作られ、なぜ創傷が悪化したのか、を事前情報として医師に伝えます。その上で、受診いただきます。そのため、こちらへご相談頂いた場合は、まず以下の内容についてお知らせ願います。
ー手術日、術式、今の症状が始まった日、痛みや不快感などの症状etc…などの情報
1、創傷周り全体の写真(胸、腕、脚、腹など) 2、傷局所の写真
上記の画像を、添付にてメール送信いただきます