Microvascular Staged Phalloplasty Preserving Original Glans in a Severe
Hypospadias: A Case Report
Alessandro Thione,MD,PhD, Pedro C.Cavadas,MD,PhD, and Carlos G.Rubi,MD
原著論文こちら
概 要
通常、陰茎再建は性別違和の患者、外傷による損失、感染、腫瘍、重度の尿道下裂のような先天性奇形に対して行われるが、標準的手法では良好な結果が得られていない。尿道下裂は、少年の生殖器異常の中でも一般的疾患である。機能的で審美性高い総陰茎再建のため、多くの外科的手法が考案されている。我々は、重度尿道下裂を持つ40代男性に、元の亀頭を前腕皮弁へ移植し、最初の手術から3カ月後に腓骨皮弁で補強を行った陰茎再建事例を提示する。術後3ヵ月で正常な排尿(noromal
voiding)、ほぼ正常の外観、そして挿入を伴う性交が行えて、許容される結果が得られた。重度の尿道下裂において元の亀頭をするため、微小血管操作を伴うPhalloplastyは、マイクロペニスの外科的選択肢と位置付けることができる。技術的困難さとマイクロサージャリーなど高度なスキルを要求されることが、本アプローチの欠点である
陰茎再建は通常、トランスジェンダーや陰茎切断術患者においては化学療法後を終えてから実施されている。あまり頻度は高くない。Phalloplastyは尿道下裂や尿道上裂(epispadias)に属したマイクロペニス治療のために行われる1)。無数の手術方法が考案されてはいるが、いずれも理想的ではない2)。再建によって性交が可能となり、排尿、自己イメージが回復しないといけない3)。
マイクロサージャリーは陰茎再建の標準的な技術である。前腕/腓骨からの遊離皮弁も使用頻度が高い部位である。たいていの場合、亀頭は審美的な外観のため先端を操作している。マイクロペニスをもつ非特異的患者や比較的正常な亀頭、亀頭を保持していれば審美性と感覚改善のためにPhalloplastyにて使うことがある。
マイクロペニスに尿道下裂がある患者の生来の亀頭を利用し、亀頭移動術と2つの遊離皮弁にて陰茎再建をした症例を提示する。
遊離ビューも行った。
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症 例
40代男性。尿道下裂の複数回手術を受けており、精神的陰性症状(うつ、希死念慮)を認めた。陰茎体は短く、重度の傷痕、複数の瘻孔を伴っている。亀頭は通常サイズ(図1)。
第一段階、亀頭は背側血管からの遊離皮弁として分離し、陰茎体の残骸は切除した。標準的な前腕皮弁Phalloplastyを行った。 亀頭部は、橈骨遠位まで端から端で伸びている背側陰茎動脈の1本に接続して、背側陰茎静脈は遠位皮下静脈、そして背側陰茎神経は前脛骨皮神経と内側の遠位枝へそれぞれ接続をして橈骨遠位に移した(図2)。複合型遊離陰茎皮弁を会陰部へ移植 し
た。
大伏在静脈と大腿動脈間の血管網をレシピエント静脈として使用した。背側陰茎神経基部は前脛骨皮神経内側及び近位部へ修復された。
3ヵ月後、硬さを作るために血管柄付き遊離腓骨皮弁での形成が行われた。腓骨辺縁部を除去したのち先端を丸くすることでボリュームを減らし、遠位への浸食を回避した(図3)。
骨は断端と海綿体へ太目の縫合糸で固定した。
審美的にも容認できる変化を遂げて、挿入を伴う性交が可能となり、心理的にも大きな変化があった(図4)。
考 察
ChangとHwangが発表して以来4)、tube-in-tube前腕皮弁デザインはPhalloplastyの標準法となっている。尿道再建には皮膚が薄く、比較的に毛も少ない。二次的にはインプラント等による剛性が必要で、皮弁採取部の傷が残ってもなお、優れた知覚再獲得性がある。皮弁内に橈骨一部を含むことである程度の硬さがあり2)これは骨折リスクが高くなる。陰茎のプロステーシスは再建において不十分であり、これは骨や移植片の場合も同様である2)。血管付き骨移植は選択肢として一見よい選択にも思われるが、ドナーサイトの障害など複合的な問題を含んでいる5,6)。腓骨中部の切除では、血管損傷を伴わず骨断面を減少させる(図3)。
元の亀頭を、マイクロサージャリーによって陰茎体へ移植して再建する方法のオリジナルは、Chengらによって行われているが7)、残る写真から技術と結果を評価することは難しい。Sengezerらは、外傷性損傷後に有茎皮弁で陰茎亀頭を使ったが5)皮弁の回旋が制限されることを重大な欠点であるとしている。マイクロサージャリーによる亀頭移植は報告例もほぼ無く、技術的なハードルは高いが審美性に優れており、性的な感覚も得られる方法である。
Alessandro Thione, MD, PhD
Clinica Cavadas, Reconstructive Surgery Hospital de Manises, PaseoFacultades
1 bajo 8, 46021 Valencia, Spain
E-mail: althione@gmail.com
(Plast Reconstr Surg Global Open.2015 Dec;3(12);e588:Doi:10.1097/GOX.0000000000000562;Published
online 2015年12月18日
スペイン・バレンシアManises病院 再建外科 Cavadas クリニック。2015年10月7日受諾。同年11月3日承認)
参考文献
原著論文参照のこと