手術療法

 身体的治療を望むトランスジェンダー、DSD当事者が手術療法を受けるまでには通常、性ホルモン投与を受ける期間がある。望む性別で生活をしながら、今後の方向性を考える。ホルモン療法をゴールとする者、中には、ホルモン療法を中断をしても、望む性別で社会生活を営む場合もあるが、ホルモン療法は生涯継続していくことがほとんどだ。手術療法をどの段階まで進めるかは、当事者の個別性に拠る。性自認と性指向の揺らぎ、情報収集の結果、周囲と自分との関係など多様な要因に影響を受けた結果、当初考えていた治療を変更することもある。

 例)精巣切除だけを希望していたMTFが、膣形成までを希望する                                 

   胸オペだけを希望していたFTMが陰茎形成を望む  等など

 国内の病院で手術を受ける場合は、手術までの期間に術前の説明を受けたり、説明書類を渡されることが多い。事前調査をしたオーストラリアのSRS実施チームでも、同様の書類を渡していた。日本人にはタイが、SRSのための渡航先としてよく選ばれている。およそどのような目的であっても、当人にとって「手術」とは、人生の中でも非常事態で、様々な思いを持って手術の日を迎える。一方で、病院にいる医療従事者としては「無事に手術に送り出せる」「異常の早期発見、早期介入」「退院」までを乗り切ることが、当面の目標となる。自分の違和感を救うのは手術しか解決策がない、ということは認識していても、手術前に何を準備しなくてはいけないのか。また、手術後にどのような身体的変化が生じ得るのか具体的なイメージはできないと思われます。ここでは、手術に関連する諸手続き、行われる医療処置、何故それをするのか、特に海外で医療者に任せきりではなく注意しておいた方がよいポイント、を解説します。


















MTFのSRS  準備中

=甲状軟骨(喉仏)切除
=顔面の骨格形成。
=ひげ等の脱毛
=乳房形成
=膣形成

 






 

 

















 

 手術によって準備するもの、注意点や処置は異なりますが、どのような手術であっても、術前~術後の大まかな流れというのは共通しています。


手術療法

1、手術前

2、手術中

3、手術後

、退院